概要
メールには「Envelope From」と「Header From」といった送信元を表す情報があります。それぞれの使われ方やSMTPとの関連について整理しました。
メールの送信元・宛先情報
メールには、メーラに表示されるFrom、Toアドレスと、それ以外にサーバ間のSMTPプロトコル上でやりとりされるFrom、Toアドレスが存在します。
メーラで表示される情報はHeader情報、SMTPで参照するのがEnvelope情報となります。一般的にHeader情報はメーラの中で入力されますが、Envelope情報はMTA上で自動的に付加しています。
それぞれ以下に記載します。
※余談ですが、Envelope(エンベロープ)とは、「封筒」という意味です。
Envelope To
SMTPの送信先となる宛先です。以下の図でRCPT TOで通知するメールアドレスとなります。
Envelope From
メールの送信元アドレスの情報です。以下の図でMAIL FROMで通知するメールアドレスとなります。
また、メール配信時にエラー等で送り先に届けられなかった場合に、Envelope Fromのアドレスにエラーメールが配送されます。
Header To
受信メールをメーラで表示した際に「宛先」欄に表示されている送信元アドレスです。
Header From
受信メールをメーラで表示した際に「差出人」欄に表示されている送信元アドレスです。Header Fromは仕様上、送信者が自由に記載できるため、実際の送信者とは異なる情報を表示させることも可能です。
Header(From、To)情報はDATAコマンドの中で通知されるものとなります。
各種情報の役割
Envelope Fromは、配送に問題があった場合の戻り先アドレスとなります。
メール配信システム等を利用している場合は、Envelope FromをHeader Fromと異なるエラーメール処理専用のアドレスにすることで対応している場合があります。
また、Header ToとEnvelope Toが分かれていることでBCC機能が利用できます。
BCCの仕組みは、BCCで送信する宛先をEnvelope Toのみに設定し、Header Toには設定しないことで、受信者に他の宛先を見せずに送信しています。
参考にさせていただいたサイト
貴重な情報をありがとうございます。